講談社 刊
発売日 2000-08
価格:¥1,365(税込)
表紙にあるように「日本一わかりやすいMONEYの運用本」と言ってもいいだろう。細野真宏の『経済のニュースが面白いほどわかる本』でも見せたモノゴトの本質を見抜き、イラストを利用しながらわかりやすく論理展開する手腕は本書でもいかんなく発揮されている。
著者にかかれば、「分散投資」の説明も「10個の玉子を1つの入れものに入れておくとその入れものを落としてしまえば、イッキに全部が割れてしまう、というリスク(=危険度)があるけれど、1つずつ別の入れものに入れておけば、仮に1つの入れものを落としたとしても残りの9個の玉子は割れずにすむ、ということ」となる。まさに「株って何?」という人のための「基礎の基礎講座」である。
基礎講座の最終レッスンは「森本卓郎」対「細野真宏」のスペシャル対談となるのだが、こちらも「日本一わかりやすい」対談だ。著者の予備校講師としての経験がなせるのか、随所に「ふたりの話のまとめ」が配置され、「損をしても暗くならない株式投資の考え方」などについてのふたりの会話が、きちんと整理されて理解がすすむ。
しかし本書は、基礎の基礎だけにとどまってはいない。第2章は、「株」「投資信託」「外貨」の運用講座(実践編)へとステップアップ。こちらは、マネー経済プロジェクトチームが担当講師となり、経済ジャーナリスト荻原博子や株式評論家の植木靖男らが監修にあたっているため、すでに投資経験のある人がおさらいをするのにも最適。(小山由子)
「基礎の基礎」の本 2006-02-26
多くのレビュアーさんが書いておられるように、確かに「わかりやすい」本であるが、内容は書名どおり「基礎の基礎」にとどまっている。
株と投資信託と外貨預金の3つを1冊で扱うというやや無理のある企画によって、そのどれもが中途半端な感じがする。ページ数の制約から、株も投資信託も外貨預金も、それぞれに深い解説ができないにもかかわらず、経済評論家の森永卓郎氏との対談があったりする。
それぞれの分野の雰囲気、アウトラインが感じ取れればよいという人には良い本だと思うが、真剣に投資のための参考にしようとする人にとってはもの足りない内容。
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この記事は2007/1/31に作成しました。